制作について

描き方について

 手順としては、鉛筆でデッサンし、ブルーグレーで明暗を描き固有色を塗り、鉛筆の線で仕上げるといったものです。

 なんといっても鉛筆の線を残すので、デッサンは思い切り慎重に描きます。陰影をブルーグレーで描くのは、各々の色に惑わされるのではなく、全体のトーンをまとめるためです。

 固有色も下塗りが必要ですが、例えば、緑の下に黄色を置いてから緑を塗ります。

 色も絵の具のままや、白・黒を混ぜたりしません。混色はそれこそ何万通りとあるので書ききれませんが、例えば緑の場合だとワインレッド、バーミリオンなど反対色(補色にあたる色)をほんの少し混ぜるだけで深みのある色ができます。キーワードは補色です。

●製作工程(画像はクリックで拡大表示します。)

製作工程 1

鉛筆でデッサンをしました。

製作工程 2

ブルーグレーを作り、陰影を塗ります。

製作工程 3

固有色の下塗りをして、上塗りをします。

製作工程 4

鉛筆で仕上げの線を加えます。
(絵の具で弱まった箇所、強調したい箇所など)

製作工程 5

最終仕上げは、フィキサチーフ(Fixative)を吹き付けて完成です。

製作工程 6

絵の具の種類や量でフィキサチーフ液の吸い込み方が違うので調整します。
(5〜10分で乾燥します。)

 絵の具のメーカーはウィンザー&ニュートン社、ルフランブルジョワ社、ペリカン各社の固形水彩を使用し、筆は各社のナイロン筆、ハケ、レタリング用筆。面相筆はタヌキ、テン等を使っています。
パレットは菊皿。もちろん筆は個展終了後、石鹸で洗っています。

風景画について

 倉敷に戻ってきたのが30年前。倉敷の景色を描いてみようと油彩画で描いてはみたものの、なんかしっくりこないつきまとっており、水彩画ではどうか…と試してみたところピッタリの感じでした。
吹き抜ける風と光、そして造形的な建築群と夢中で描きました。

 じつは武蔵美時代はずっと人物画ばかりで、静物画も描きましたが人体の面白さにどっぷり浸かっていた4年間でした。彫塑もやはり人体、卒業制作も人物画でした。そんな中で風景は数えるくらいしか描いたこともなくて、倉敷の風景の魅力に戸惑いながらも手探り状態で描き続けました。

透明水彩画について

 水彩絵の具には透明と不透明の2種類があります。
これは油絵の下描き(エスキース)として使うのが不透明で、絵の具の顔料のキメが細かくできています。紅茶で言うとミルクティーとでもいいましょうか。そして少し顔料のキメが粗いのが透明のレモンティーということでしょう。
網目の粗いものは向こうが透けて見えますが、目の詰んだものは不透明になります。でも、不透明でも薄めて塗ると透明感は演出できます。

下地について

 水彩画は紙に描きますが、その紙の種類は多岐にわたります。
私は洋紙(スケッチブック等)に水張りをします。画面がフラットになると描きやすいのでこうしています。それにドーサ引きをします。

 本来なら、ニカワを画材屋で…となりますが、私はスーパーの粉ゼラチンを使っています。(板状のものもあり)内容は同じニカワの成分でできています。1/20〜1/30の割合でお湯に溶かし、軽石を乳鉢で粉にしたものを混ぜて塗っています。これは画家オディロン・ルドンの手記に出てきますが、パステル画の下地として作られていたものです。

近作より

倉敷散歩 part30 に出品予定のものから数点ご紹介します。画像は部分ですが、クリックで拡大します。